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「ハッピーアイスクリーム」
高校生の時に流行っていた遊びがある。偶然相手と言葉が重なった時、先にハッピーアイスクリームといったほうがサーティーワンを奢ってもらえるというものだ。他人と何かが重なった時、私たちは他者との繋がりを感じ、ある種の幸福感を覚える。自分を客観的に見ることが不可能な中で、物質的に最も近い他者を通じて自分を想像する。曖昧な自己の確認欲求が振付を支えている。腹部の上のアイスクリームは、埋まることのない欲望のアイコンであり、溶けていき崩壊していくそれらは、不安的な世界のモチーフでもある。私が小学生のときに9.11が起きた。高校生のときNYでメモリアルを見たその年に東日本大震災が起きた。ループした日常が突然停止し、原発は爆発した。全く外の不条理なルール、客席の呼吸が、綿密な動きを崩していく。この構造は私たち自体が消費されていく様にも見せる。(配布したパンフレットより抜粋)
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